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トップページ  >  記事一覧  >  松浦悠人先生インタビュー
~メンタルヘルス領域での鍼灸の強み~

2021.10.27

#インタビュー

松浦悠人先生インタビュー
~メンタルヘルス領域での鍼灸の強み~

東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 助教

松浦 悠人先生

2014年 東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 卒業
2016年 東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 博士前期課程 修了 修士(鍼灸学)
2016年-現在 埼玉医科大学東洋医学科 施設派遣研修生を経て、同 非常勤職員
2019年 東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 博士後期課程 修了 博士(鍼灸学)
2019年-2021年 東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 助手
2021年-現在 東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 助教

川畑
本日はインタビューよろしくお願いいたします。
松浦先生がメンタルヘルスの領域に興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?

松浦先生
学生時代は、特に整形外科疾患、頸部痛や腰痛、膝痛などに興味があったんです。

勉強していくと慢性腰痛や慢性の肩こりなどにしても、ストレスや心理的要因と言われるものが関連しているということを学びました。

埼玉医大の山口智先生の講義などでも触れられていて、そこをすごく疑問に思って、「何でストレスが筋肉の痛みにつながるんだろう?」と。
そこが一番最初の疑問というか入口だったのかなと思っています。

ストレスやメンタル的な側面が身体に色々な不調を起こすというのを知って、そこから割とメンタルヘルスに興味を持ち始めましたね。

あとは東洋医学の心身一如という考えとすごく合っているなと思って、東洋医学的な思想と患者さんが悩んでいることが合致していたので、そこでメンタルケアにすごく興味を持つようになりました。

学生時代の松浦先生
学生時代の松浦先生

川畑
ありがとうございます。

整形外科や大学病院などに行くとペインクリニックがありますけども、ペインクリニックに行くと、痛み止めなどの薬だけでは治らない人がたくさんいて、そこにはメンタルの問題が隠されていて、最近はSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などが使用されたりしていますね。

整形外科疾患とメンタルが密接に関わっているところに興味を持ったということからのスタートだったのですね。

松浦先生
フィジカル面からの入りでしたね。

川畑
鍼灸師さんは松浦先生のようにフィジカル面からメンタルヘルスに興味を持たれる方が多い印象ですね。

先生が今回講師を務めてくださるのは、このメンタルヘルスの分野ということになるのですけれども、特に現在注目されていることがあれば教えていただけますでしょうか?

松浦先生
うつ病学会などに参加すると、薬物療法以外の治療法というセッションがあって、いわゆる非薬物療法を模索するような研究発表がたくさんあるんです。

例えば、 TMS(経頭蓋磁気刺激)や電気けいれん療法などから精神療法まで幅広いんですけれども、やはりお薬に頼らない治療法がすごく求められているんだなと感じているところです。

川畑
一時期は運動療法なども論文が出たりして注目されていましたよね。

松浦先生
はい。精神療法が合う人や、TMSが合う人などいると思うので、その中で鍼灸が合う人も一定割合いると思うんですよね。
そこを見つけていきたいですよね。

川畑
薬物療法以外の治療法が求められる背景には、精神科薬物療法の多剤併用の問題もあるのかもしれませんね。

松浦先生は実際、精神科のドクターと一緒にうつ病に対して鍼灸で介入する臨床研究をされて論文も書かれていらっしゃいます。その知見などから、このメンタルヘルスの分野で、鍼灸がどのような貢献ができるとお考えでしょうか?

松浦先生
一番貢献できるのは身体の症状に対する治療かなと思います。

鍼灸師は身体の専門家で、体表からのアプローチをするので、そこが得意なのと、患者さんの訴えや悩む所もかなり身体の症状が多いので、そこを直接触れてアプローチしてあげられるのは、すごい強みかなと思います。

川畑
ありがとうございます。

うつ病で身体症状を呈する方は多くいらっしゃると思うのですけれども、身体症状は具体的にどういったものが多いのでしょうか?

松浦先生
一番多いのは痛みでしょうか。
慢性疼痛をお持ちの方の半数はうつ病を合併しています。その逆も然りで、うつ病の患者さんは痛みを訴える方が多いです。

特に原因不明の痛みが一番多くて、あとは内科系の便秘、下痢や、胃がもたれるなどですかね。

基本的に共通しているのは、現代医学的な検査では異常が出ないけど、不調を訴えるということです。

川畑
不定愁訴とまとめられてしまうものですね。
睡眠障害はいかがでしょうか?

松浦先生
睡眠障害はうつ病があると必ず生じる症状ですよね。

身体もずっと緊張しているような状況で、ガチガチに硬い人が多いんですよ。

ずっと緊張しているので血流も悪くなって手足が冷たくなったり、頭痛が出てきたりします。

川畑
聞けば聞くほど鍼灸が役立つというのはズバリですね。

松浦先生
頭痛がするから頭痛薬とか、お腹が痛いから胃薬とか、追加していったらどんどん薬が増えてしまいます。
トータルで見ることができる鍼灸の良いところはそこなのかなと思います。

川畑
仰る通りかと思います。
鍼灸師がメンタルヘルスの分野で活躍する余地というのはたくさんあると思うのですけれども、一方で活躍するために持つべき能力というものがあると思うのですが、それはどのような能力だとお考えですか?

松浦先生
基本的な原則は、うつ病に限ったことではないですが、何が原因になっていて、どれくらいの病期で、どの程度なのかなどどうようなうつ状態なのかを把握した上で、鍼灸治療を行なっていくという能力がまずは必要なんじゃないのかなと思っています。

正しい評価をする能力ですかね。

医療面接を行う松浦先生
医療面接を行う松浦先生『写真提供:ハリトヒト。』

川畑
病態を把握する能力ということですね。
精神医療でどのような標準治療がされているのかということも知識として持っておく必要があるでしょうか?

松浦先生
はい、必要ですね。
臨床に入る前段階に、正しい評価や正しい知識を持つというのが前提条件なのかなとは思います。

現代医学的な標準的な治療など、それがちゃんとわかった上で患者さんと接する必要があると思います。

川畑
実際に各鍼灸院にかかっていらっしゃる患者さんで、精神科や心療内科などに通われている方、もしくは精神科などに行ってないけど困っている方がたくさんいらっしゃると思います。

なかには抗うつ薬とか抗不安薬とか飲んでいて、服用薬を見た時に、「この人はこの薬を飲んでいるんだな」、「ということはこの診断がついているんだろうな」、といった判断ができないとまずスタートラインに立てないということですね。

松浦先生
そうですね。
薬からも患者さんがどういう状態なのかということは、ある程度推測できますからね。

川畑
ありがとうございます。

さて、今回鍼灸師の学校では様々なクラスが開催されるですが、ご興味のあるクラスなどはありますでしょうか?

松浦先生
全部興味がありますが、建部先生の論文を読む会はとても興味があります。

エビデンスを知った上で、臨床に臨むとまた違った発想も生まれたりすると思うので、それを建部先生が噛み砕いて紹介してくれるとなればなおさらですね。

難しいものをわかりやすく紹介するのがかなり上手でいらっしゃるのですごく興味があります。

川畑
ありがとうございます。
業界にとってもとても大事なクラスになるかなと思っております。
論文を読むと、知識としてこういう研究成果があるのだなと知っているだけで、患者さんへの引き出しも増えますよね。
自分の武器を増やすというような意識をしてもらえると、論文を読む意味とか勉強する意味とかが変わってくるのかと思いますね。

松浦先生
論文のやり方を全て患者さんに適用できるわけじゃなくて、こういうのがあるんですけどどうですか?といったような意思決定の際の一つの道標みたいな感じですよね。
それをたくさん持っていた方がいいと思います。

川畑
なるほど、道標ですか。分かりやすいですね。

今回、鍼灸師の学校の立ち上げにあたってビジョンをご説明させていただきましたけれども、どんな思いでこの学校に講師として参加いただけたのでしょうか?

松浦先生
松浦先生『写真提供:ハリトヒト。』

松浦先生
メンタルヘルスなどの精神科領域の場合は、評価というところが特に大事になってくると思います。

ちゃんと精神科医療の標準的な治療もわかりつつ、その上で鍼灸の治療を行っていくという、系統的な学びができるコンテンツや場というものはなかったので、私のやりたかったところです。
そういった機会を作っていただけたということで、ご一緒できて嬉しいです。

川畑
ありがとうございます。
いまおっしゃった評価なのですけれども、もう少し具体的に踏み込むとこのメンタルヘルス領域ではどのようにやっていくのでしょうか?

松浦先生
一つは詳細な医療面接ですね。聞いておくべき項目というものが幾つかありますね。

精神科ならではの項目というのもあったりするので、まずはそれをしっかりと身につけるということと、あとはいろんな質問紙やサポートツールがあるので、使い方を身につけることですね。

それが適切な評価につながってくるのではないかと思います。

川畑
どのくらいうつ症状が改善しているかや、それに伴う痛みがどう改善しているのかということをわかりやすい形にするということですね。

松浦先生
その患者さんが置かれている社会的な状況なども含めて、その患者さんが考えていること、病気に対する思い、良くなったらどうしたいか、将来的なところなどそういうところも含めて評価になってくると思います。

患者さんの解釈モデルもしっかりと整理できるというのが、いわゆる正しい評価なのかなと思います。

川畑
詳しく教えていただきありがとうございます。

最後になりますが、先生のクラスで学ぶ鍼灸師の皆様にメッセージをお願いいたします。

松浦先生
実臨床の感覚だと、鍼灸治療をすると患者さんはすごく満足してくれて、喜んでくれて、実際に触って治療するというのは精神科ではないので、そこが鍼灸の強みだと思っています。

ただ、触るということ自体が強みの一方で、リスキーな行為でもあるので、予期せぬ患者さんとのトラブルを起こしやすい領域ではあると思います。

そういった患者さんとのトラブルを避けつつ、高い満足度を出していくためには、やはり正しい知識を持った上で鍼灸治療をしていく必要があると思うので、それを一緒に学んでいけたら良いのかなと思っています。

川畑
ありがとうございます!

このメンタルヘルス鍼灸の領域で体系立てて教育されるというのは、このクラスが初めてだと思います。
業界全体にとってもかなり重要な役割になると思いますので、よろしくお願いいたします。

松浦先生、本日はお忙しい中ありがとうございました。

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